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登別市議会議員 辻󠄀ひろし

妥協

ある校長先生に教えていただき、OECD生徒の学習到達度調査(PISA調査)の問題例を読んでみました。

PISA調査の詳細はここでは省略させていただきますが、特におもしろいのが、読解力、問題解決能力度の問題です。

簡単に言えば、意見がぶつかる中で、集団の解決策を探る能力や柔軟性があるかを問うものです。時には自分の意見とは異なる見解に対しても論理的結論であれば理解を示すことが出来るか、あるいは説得的に述べることが出来るかを探っています。

議員活動では、行政との議論だけでなく、議員同士の議論が大切になってきます。登別市の場合では21名の意見が出てきます。その21名の中で、まずは自分自身の意見を明確にし、周囲の意見を聞き、その上で、自分の意見を説得的に他議員に訴えていきます。

ここで一番難しいと感じるのが、自分の意見が論理的でなく、他議員の意見が論理的結論を指しているときに、柔軟に自分の意思や意見を変化させることが出来るかです。

「妥協」という言葉にあまり良いイメージがありませんでしたが、実際にはとても大切な議員“能力”の一つなのだと、PISA調査からは感じます。

一議員としての意見を強く訴えることはとても大切ですが、そこに固執しすぎるあまり、「認められたい」「存在感を示したい」「論力で勝りたい」という“欲”が強くなってしまった経験が、これまでにもたくさんありました。

本当に強い議会とは各議員が妥協出来る、調整力の強い議会なのかもしれません。もちろん、「ブレ」ることは許されませんが。。。。


放射線について考えてみよう

先日、市内の公民館に寄った際に、文部科学省発行の副読本「放射線について考えてみよう(小学生対象)」「知ることから始めよう放射線のいろいろ(中学生対象)」「知っておきたい放射線のこと(高校生対象)」解説編【教師用】が設置されていました。

    

昨年の10月に発行されたものを、参考として一般にも配布しているようです。

さっそくもらって読んでみました。人それぞれの感想はあろうかと思いますが、福島原発事故後に作成されたものとしては、疑問点が多くあります。

原発事故以前は、原子力発電の安全性を周知する様々なパンフレットや副読本が配布されていました。私たちの多くは、その科学力と安全性を信じていました。

しかしながら、原発事故による“事実”は私たちの想像を超えていました。私たち自身がその責任を感じ、未来について考えなければなりません。

端的に言えば、今回の副本は、放射線に対する負のイメージがあまりにも先行しているため、そのイメージ払しょくするために、正のイメージを広報しようとしているのだと私は感じました。

これが民間の雑誌や、専門書物であれば、様々な情報を比較して学習するのは自己責任ですから、必要な論調だと思います。

しかしながら、児童・生徒に対して配布するものであることを考えれば、むしろ子どもたちが放射線について「考え」「想像」できるような、きっかけづくりが大切だったのではないでしょうか。

子どもたちに必要なのは、「答え」ではありません。


さて、今月より登別市給食センター<リンク>で使用している肉・野菜類の産地がHPで確認できるようになりました。使用食品の産地は当日の仕入まで確認できませんが、できるだけ早い更新でお知らせ出来るように工夫されています。


     

この件については、市内の母親からのご意見もあり、3月の定例会議会で提案した結果ですので、かなり早い対応です。

食品の安全性については、まだまだ取り組まなければならないことがありますが、給食センターとしても出来る限りの取り組みを進めていますので、これらの動向についても、引き続きご意見をくだされば幸いです。


不明児童

室蘭児童相談所への視察研修を企画し、訪問してきました。

同相談所へは病院ソーシャルワーカー時代に何度かお邪魔したことがありますが、改めて当地区の児童虐待の傾向について詳しく教えていただくことが出来ました。

いくつかの気づきとしては・・・
●児童相談所受理の虐待相談件数が微減しているが、おそらく市町村の虐待相談窓口機能が安定化してきているからではないか。

●DV家庭の増加により両親等の暴力行為を目撃させる「心理的虐待」が増加傾向にある。DV対策と児童福祉ケアのつながりが薄い。

●「児童」支援が対象であり、その加害者たる保護者へのケア・支援機能は児童相談所で十分には担えない。

●未然防止・早期発見への取り組みも児童相談所で担うことはできない実状がある。母子保健等の場におけるケアが効果的であり、市町村に期待される役割ではないか。

etc...具体的な課題もいくつか見つかりました。次回は障がい者虐待や、DVについても支援を実施している機関への視察研修を企画してみようと思います。


さて最近、所在不明児童・生徒が1191名とのニュースがありました。要因としては、夜逃げや、DVにより母親と避難しているなどの理由の他、ネグレクトや監禁などによる虐待事例も相当数予想されています。

「児童虐待」の言葉を聞いた多くの方々は、刑事事件になって報道されるような重篤な事例を想像されます。しかしながら、心理的虐待や、ネグレクトなどは直接的な傷害を負うことが少ないことから、ほとんどが刑事事件化しづらく、報道されることもない事例がたくさんあります。

本事件や、最近続いた孤独死に対して、行政や警察の責任を問う報道を多くみかけますが、本当の責任は誰が負うべきなのでしょうか。

生きているか死んでいるかもわからない、日本に存在しないことになったまま大人になって暮らしている方がこの街にいらっしゃるかもしれません。

私は想像をします。体だけ大きくなりながら、中身の時間が止まっている子供たちの心を。


震災がれきの広域処理を考える研究会

議員有志で「東日本大震災で発生した岩手県震災がれき広域処理を考える研究会」が立ち上がりました。

震災がれき広域処理については、政府や道政の動きが活発化してきていますが、それ以前から一般質問や予算委員会等でも各議員が取り上げ、市民の関心も高い事柄です。

私個人にも、さまざまな方から、メールや直接お会いしてご意見をいただいております。それらへの返答が一部、別サイトにも転記されているようです。

本件については、私は受入すべてを反対する立場ではありません。どのような基準や取り組みが市民にとって安心感を得られるものかを考え、それらが保障されるのであれば、受入を容認することも必要と考えています。

もちろん、基準値以上の放射能汚染されているがれきを受け入れてはなりません。原子力発電についても、段階的に廃止をしていくべきと考えています。そもそも、がれき処理について、広域処理が合理的なのかどうなのかについても、疑問があります。その点において政府や電力会社に訴えていかなければならないことは山積していますが、それだけでは物事は何も前に進みません。

がれきの広域処理について、「感情論」を否定する方は多いと思いますが、私は政策判断において「感情」はとても大切だと考えています。震災直後、日本全国に復興支援の想いが広がったのは「感情」にほかなりません。災害対策の見直しが各自治体で積極的に行われ、予算投入されているのは「感情」による判断が大きく関わっています。

東北に生まれ育っている子どもたち一人ひとりの人生を想像したとき、結婚し、出産し、子育てをしていくときに、東北出身者であることに微塵でも疑義が感じられるような国にはしたくありません。

今回の研究会が設立され、現地視察も活動予定にしたことで、「賛成派か!」「反対派か!」「なにかもくろみがあるのか?」とレッテルを貼りたがる方もいるかもしれません。正直、できるだけそのような対象にはされたくない気持ちもあります。

しかしながら、一議員として様々な方からご意見や、ご質問を受けても、十分な実態が掴めていないことには、自分自身責任ある返答が出来ません。そのような想いもあり、各議員に呼びかけ、設立されたのが、本研究会です。

このブログの記事に対しても、言葉足らずでご心配をおかけする点もあるかもしれませんが、現時点での私の考えを簡単にまとめさせていただきました。

誤解がないように追記いたしますが、登別市議会としての活動は生活・福祉委員会を初め、議会組織の中で公式に取り組まれています。

対して、本研究会はあくまでも議員有志による私設の研究会であり、本研究会が何かを決定したり、提案することはありません。事務局は私が担い、視察研修等の費用はすべて参加議員の私費になりますので、できる活動も限られていると思います。例えるならば、議員活動の中で、私費で参加している研修会・学会などと、性質的には同一のものであると考えています。


Facebook@登別市議

ブログを読んでくださっている方の中で、Facebookも登録されている方はどのくらいいらっしゃるでしょうか?

私は携帯電話をiPhoneに変更してから、Facebookの使い勝手が良いこともあって、活用するようになりました。といっても、あまり真面目な内容を書いたことはありませんが・・・

ブログとは違い、相手の顔が見えること、受け身で早い情報を得ることが出来るなど、様々な利点があります。

私の場合は、加えて、ブログとリンクさせているので、内容をメール配信に近い感覚で読んでいただけていることや、積極的にコメントをいただけることにも利点も感じています。

登録されている方の中には、自分自身が投稿することはないけれでも、「友達」が投稿する内容をチェックして、情報収集を図っている方も多いようです。

最近、登別市議会議員のFacebook登録率が急上昇です!21名中、6名が登録しています。

以前にも掲載しましたが、「議会広報」を「(21名総意の)議会」として行うには、内容に制限も多く限界があります。本来の広報活動は議員個々の活動報告の積み上げが大切です。

その点において、Facebookは議員の日常を通じた議会広報としての効果が期待されますし、議員が市民活動を学ぶステージにもなります。

登別市議をFacebookで見かけたら、ぜひ友達申請してくださいね。

福祉のまちづくり

「福祉のまちづくり」と聞いて、どんなイメージが浮かびますか?

おそらく、多くの方は「ノーマライゼーションのマチ」「福祉に対する理解の深いマチ」「障害のあるなし、年齢に関わらず、自己実現できるマチ」など、社会福祉増進に向けた「ソフト整備・理念」を思い浮かべるのではないでしょうか。私もそう思います。

しかしながら、『福祉のまちづくり「条例」』となれば別です。

昨日、議会委員会に福祉のまちづくり条例案が示され、議会中継で委員会の傍聴をしました。条例案の中身も読ませていただきました。

本条例は、登別市独自の条例ではなく、古いものでは90年代から策定されている自治体もあります。条例の基礎根拠となる法律は、新旧バリアフリー法などであり、最近では交通基本法などもこの条例の基礎根拠とする自治体も出てきています。

つまりは、ハード整備が本条例の一義的な目的です。例えば、施設整備の際の事前届出や、市民参加型の協議委員会による整備許可などを義務付け、従わない場合には事業所名の公開や市長村長による改善命令などの規定が設けられている自治体も多いです。道内自治体の多くは、本条例に「事前届出」「適合証の交付」「立ち入り調査」を項目化しています。

全国の条例の内容比較は、TOTO UD研究所が調査した、『全国「福祉のまちづくり条例」改正状況調査』に詳しく掲載されています。

登別市内でいえば、葬斎場が北海道福祉のまちづくりコンクールで最優秀賞を受賞していますが、その受賞理由はハード整備が秀逸であるからとなっています。

もちろん、「心の整備」といわれる、福祉理解をひろめる活動も重要であり、ハード整備事業につづき、ソフト整備事業として心のバリアフリーを推進している事業者表彰制度などを本条例に位置づけている自治体もあります。

しかしながら、今回提案されている内容は、一部に公共的施設等における整備努力について触れた条例項目があるのみで、その他は「理念」と「社会課題の列挙」、「各種法から求められている社会福祉関連計画の策定根拠」を示す条例となっています。

驚いたことに、虐待の防止や就業機会の確保、男女共同参画の形成、防犯・防災などまで本条例に組み込まれていました。社会福祉に関連することであれば、なんでもありです。

もし、登別市が社会福祉に対する基本理念や姿勢を示し、法に基づく各種計画に永続性を持たせたいのであれば、「社会福祉基本条例」「福祉健康条例」などとするべきではないでしょうか。

また、虐待や障がい者雇用など、個々の社会課題は、より細やかな条例でその支援策を講じていかなくてはならないはずです。

“市民参加・各種関連団体による検討委員会で協議された案”であることを強調していましたが、そもそも政策法務の専門職は行政であるはずです。まずは政策法務を明確にした後に、策定のプロセスにおいて市民参加型で修正し、最終案をつくりあげていくのが条例策定の在り方ではないでしょうか。

最近のこと・・・

登別駅前のイルミネーション撤去に、駅前の海鮮直市がOpenしたりと、登別でも春を感じる場面が多くなってきました。黄砂には悩まされますが。。。

    
海鮮直市で販売されているボタンエビにも春を感じます。食べるのを楽しみにしていたのですが、外食が続いている内に家族に食べられてしまいました(残念)。

海鮮直市は地元有志、漁業関係者、行政関係者が協同で立ち上げました。毎週日曜日10時~Openの運営にも、関係者が積極的にお手伝いしてくれています。今はナンバンエビ、ボタンエビ、ホッキ貝が主流でしょうか。

少し贅沢な買い物になるかもしれませんが、新鮮さとおいしさは保障します!ぜひドライブがてらお買い求めください!!

    
夏に行われる西胆振消防団訓練大会に向けた訓練も本格化してきました。私は指揮者として訓練に参加していますが、年々走りこめなくなっているのを感じます。やっぱり、朝に走って体作りをするしかないのでしょうか。。。まだまだ春とはいえ寒いですよね・・・

入学式

市内ほとんどの小・中学校で入学式が行われました。

       

小学1年生はかわいらしくて、中学1年生はさわやかで、、、式に参加している方もウキウキしてしまいます。ご入学のみなさん、おめでとうございます。

登別小学校のPTA会長を務めさせていただいているので、祝辞のお役目がありましたが、あまり上手にお話しできず、失礼いたしました。

さて、登別小学校は新入学生20名、登別中学校は41名です。

小学校の少なさが際立ちますが、今年度の学年が特に少なかったので、来年度は、またもう少し多くなる見込みだそうです。

いずれにせよ、児童生徒数は年々減少傾向にあり、今後は少人数制が導入されない限り小学校が2クラスになることは難しいかもしれません。

寂しい気持ちもありますが、少人数でしかできない教育もたくさんあります。
以前に議会質問でも取り上げましたが、これからは「人口減少社会=衰退」と考えるのではなく、人口減少とともに、より質が高くなるマチづくりを目指すことが大切だと私は考えています。

傾聴ボランティア

先月末に行われた、登別市社会福協議会 きずな推進委員会主催の「きずなシンポジウム」で、活動報告に引き続き行われたのが、「これから求められる地域の連携のあり方」と題したディスカッションでした。

その中で、興味がひいたのが「傾聴ボランティア」。室蘭市でも取り組みが始まるようですが、登別市でも今年度5月~試行的に始めるそうです。

傾聴ボランティアとは、地域の人たちが、地域の人たちの悩みや不安、あるいは日常の出来事などのお話を聴いて、問題の自己解決を促したり、孤立感・孤独感を解消したり、場合によっては専門家や適切な場所をご紹介したりする活動です。

これまでは、問題に対する解決を前提とした「相談」が主眼でしたが、この傾聴ボランティアは、字のごとく「聴く」ことを主眼としています。

問題があって初めてできる繋がりではなく、日常生活からのつながりが期待されます。

私も、ディスカッションを聞くまでは知りませんでしたが、調べてみると多くの地で取り組みが注目されているようです。誰でも取り組める活動ですので、興味のある方は登別市社会福祉協議会にお問い合わせください。

そういえば以前に、「これからも傾聴技法をもった議員としてがんばってください」と応援メッセージをいただいたことがあります。あまり意識をしたことはありませんが、議員になる前は、社会福祉相談員の基本として“傾聴”や“受容”について、叩き込まれました。

もしかすると、議員活動においても自然に傾聴することが染みついているのかもしれません。

おまかせコース?

たくさんの新社会人の方々とご挨拶をしました。みなさん、緊張してます。。。(あたり前ですね)

議会事務局も新局長に加え、私が新人議員の頃にお世話になった方が再度事務局勤務になり、“安心”の体制です。

さて、伊達市さんでは新たに総合体育館と観光物産館がOpenしました。
初日は体育館の見学も自由と聞いて、行ってきました。体育館の設備はメインアリーナに加えて、サブアリーナまで完備されており、かなり立派です。
     

観光物産館では、野菜類の販売が中心かと思いましたが、加工産品も多く陳列されています。ここ数年、新聞報道などで耳にしていた、「新たな特産品」がしっかりと商品化され、陳列をされていました。
         
登別ブランドも販売されています。

総合体育館も、観光物産館も、同時Openのインパクトが凄いですが、どちらも行政主導のみで開設されたわけではありません。1次産業~3次産業者から一般市民まで、幅広い市民層が開設に向けた構想を共有し、準備し、それらを行政が整理しながら前向きに受け止めた経緯もあったようです。

伊達市さんの市民の提案力、行政の実現力に登別も負けてられません。

話が飛んでしまうようですが、例えば・・・
行政に「おまかせコース」を頼めば、おいしいものは食べられると思います。特に登別は全道平均でみても、「おいしいお店」だと思います。でも、それが市民が食べたい料理かは別です。

様々な料理の「名前」と「価格」のメニューを見て、同じテーブルの人達と相談して注文する。

消費者としてあたり前のことが、これからとても大切になってきます。もしかしたら、市議会議員は難解なメニューを説明して、好みからおススメをする、ウェイター/ウェイトレスかもしれませんね。


        
ちなみに「のぼりべつ文化交流館(カント・レラ)」も冬季休業が終わり、再Openしてますよ!