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登別市議会議員 辻󠄀ひろし

送別会

送別会が続いています。定年退職される方や、職場を退職して別のマチへ行かれる方など様々ですが、やっぱり、別れは寂しいですね。

昨夜もある送別会に出席して二次会に参加していた時、私が市議現職時代にお世話になった議会事務局長の送別会が兆度、近くのお店で行われていました。失礼かもとは思いながらも、御礼のご挨拶をしようと顔を出させていただいたのですが、思いがけず送別の品をいただきました。
       榎本さんプレゼント
わざわざ私の名前入りで作成してくださったのですが、議員辞職によるご迷惑をおかけした上、送別会に出席する予定もなかった私を気遣って用意してくださっていたことに、とても嬉しく感動しました。共に激励のお言葉もいただき、改めて多くの出会いや御恩の中で日々を過ごさせていただけていることに感謝します。

オレンジの交渉

突然ですが、二人の姉妹が一つのオレンジをめぐって喧嘩をしていた時、あなたならどのように分配しますか?(これは、交渉や合意形成の手法を考える際の寓話で、受売りです。。。)

      オレンジ
多くの方はオレンジをできるだけ二分割することを考えると思います。しかしながら、この分配により、姉妹は二人とも不満を持つことになります。

なぜなら、姉は果実が欲しくて、妹はマーマーレード用の皮が欲しかったからです。お互い、自身が得たい利益を話し合うことなく、また、調整役も姉妹の利益を交換できる可能性を考えずに分配した結果、互いに不満が残ってしまったのです。

また、一つのオレンジだけを交渉や合意の軸にするのではなく、例えば別の果実を提供したり、“(今はそれほどお腹が空いていないので)今回はオレンジを取らずに次回のオヤツの時に多くもらう”など、「時間軸」を加えた交渉をしたりすれば、合意形成を図れたかもしれません。

このように、一つのオレンジをできるだけ平等に分けることは「利益分配型」と呼ばれ、交渉手法の軸も「策略などを用いたり、強硬な態度で交渉を勝ち取る」術を用います。いわゆる分捕り合戦です。(もちろん、この手法が必要な場面も多くあります)

一方で、互いの利益をできるだけ納得いく形で分けることは「利益交換型」と呼ばれ、「協調的な交渉によってお互いの便益を高める」術を用います。いわゆる、議論を通じた「落としどころ」を有意とする方法ともいえます。

交渉を行って、合意を図る作業の中で、参加者は必ず何らかの「利益」を求めます。例えば議会議員の場合、有権者の代弁者としての役割を果たす利益、選挙公約を達成する利益、政治信念を守る利益、自分自身が政治活動を行う上での利益など、様々な利益を勘案して議員一人ひとりが議決を行っているとの見方もできるのではないでしょうか。

しかしながら、実際には特定の利益(一つのオレンジ)だけを優先しすぎれば、議決できない案件が多く出てきてしまいます。

その点において、意見が対立している場合には、参加者が一つのオレンジについてだけを話し合うのではなく、裏表の様々な場面において、異なる果実や時間など多軸的な要素を取り入れた議論を行い、利益を交換できる術を探っていくことも大切なのかもしれません。