兵庫県議や富山市議の政務調査費不正利用により、議員報酬のあり方について、関心が高まっています。
「第2の報酬」と批判にさらされることの多い政務活動費。この機会に、登別と全国の状況を調べてみました。長文で申し訳ありません。。。。
そもそも政務活動費とは、地方自治法の「議会の議員の調査研究その他の活動に資するため必要な経費の一部として、その議会における会派又は議員に対し、政務活動費を交付することができる。」との定めに応じて支給されています。
「できる。」とあるように、絶対に支給しなければならないものではありませんので、すべての議会で支給されているわけではありません。
登別市では、会派に対して、議員ひとりあたり月2万円支給されていますが、過去に、1名で会派を構成していた際にも、同様の活動費が支給されていますので、実質的には各議員への支給と同様の取り扱いになっています。
ただし、手続き上は会派の経理責任者が管理をし、会派の代表が申請することになっていますので、数名会派であれば、議員個人が勝手に使用することは出来ないようになっています。
ちなみに、会派としての支給に重きをおいている議会では、会派構成人数に乗じた額を基本額に加算する方式をとっているところもあります。その場合、会派人数が多いほど、議員一人当たりの支給額も大きくなります。
全国の傾向として、平成26年の「市議会の活動に関する実態調査(全国市議会議長会)」をみると、調査対象813市のうち、710市(87.3%)で政務活動費が支給されています。
その内、議員一人当たり月額30万円以上支払われている自治体が13市(1.9%)で、その全ての自治体が政令指定都市です。月額20~30万円未満は9市(1.3%)、月額10~20万円未満が49市、5~10万円未満が79市、3~5万円未満が107市、2~3万円未満が173市、1~2万円未満が225市と最も多く、1万円未満が55市となっています。
登別市議会は、前回改選期の平成27年4月から月額1万円から2万円に上がりました。全国調査年とずれが生じるので正確ではありませんが、登別市と同規模自治体267市の内1万円以上2万円未満が114市(47.8%)、2万円以上3万円未満が78市(32.0%)となっています。支給額が5万円以上や10万円以上の自治体もあるものの、登別市は全国中央値よりは少し高めの政務活動費をいただいていることになります。
次に富山市議会さんで問題になっている領収書ですが、一昔前までは領収書の添付をしているだけでも先進地とされたぐらい、不透明なものだったようです。
現在は、813市の内707市で領収書添付となっていますが、2市は一定額以上添付、1市が添付なしのままとなっています。
登別市議会では、領収書添付に加え、すべての領収書をホームページに公開。行政視察・研修会等の場合は前後1か月以内に活動計画書と報告書を議長に提出し、ホームページに公開することとなっています。
その点において、政務活動費に対する登別市議会の透明度は比較的高いと理解しています。一方で、他市においてパソコン購入費の水増し請求などの事例が発生してしまっていることから、「財産」となりえる備品の購入に政務活動費を充ててよいのかについて、登別市議会においても議論していくことが必要です。
最後に、なぜ兵庫県議会さんや富山市議会さんで、このような問題が生じたかを想像すると、おそらく「政治活動費」の捻出が思惑にあったのだろうと思われます。
その思惑にまきこまれた会派会計責任者や、議会事務局の方々には同情もします。不透明さを指摘されることが多い政務活動費ですが、不正利用しても法律による処罰対象にはなりづらい問題もあります。いっそうのこと政務活動費を廃止し、各議員の年収に応じた「減税対象」とすれば、法の下での透明度も高まるかもしれませんね。
※ちなみに、来月10月12日(第二水曜日)の「辻ひろしとみんなの語り場」では、このテーマで意見交換をさせていただきたいと考えています。もし、内容に興味をお持ちいただいた方は、10月12日18:30~登別市婦人センターにご来場ください。ブログでは伝わりづらい詳細についても、お答えさせていただけると思います。
