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登別市議会議員 辻󠄀ひろし

児童虐待件数13.3万人

児童虐待件数が毎年度増加を続け、今年はついに13万3778件にとなりました。前年度比9.1%増であり、近年は毎年度約1割程度づつ増えています。

その背景にあるのは、一般の方や警察による通告件数が増えてことにあると分析されています。つまりは、近年の若年層が虐待を行うようになったのではなく、これまで潜在化していた事例が虐待として認知されるようになったと理解してよいと思います。

一方で虐待死のうち0歳児が全体の65%を占めており、理由の約50%は「予期せぬ妊娠」です。登別市においては、近隣市町と比較しても妊産婦健診には早くから積極的に取り組んでおり、今も“こんにちはあかちゃん事業”として乳児家庭全戸訪問を行っています。その中で、予期せぬ妊娠や、若年出産に強い不安を持つ事例が確認されることも増えており、近年の重要課題の一つとして、保健師を中心に解決にむけて努力を続けています。

私自身も、縁のなかった登別市に移住し、双子の出産・子育てを若い夫婦だけで取り組んでいた時、保健師による訪問支援は何よりもありがたい存在でした。その点において、登別市では虐待の「予防」にも先進的に取り組んできた自治体といえるかもしれません。
       H30赤ちゃん

虐待=暴力思考や人格的問題があると捉えられがちですが、実際は、適切な環境支援が受けられないと、誰もが加害者になる可能性を持っています。虐待の認知が広がった今、改めて公共や市民による「予防」活動の重要度が高まっているのではないでしょうか。

刈田神社 お神輿ルート@2018

さてさて、今週は刈田神社例大祭&第30回幌別地区手づくり祭りです。

9月1日(土)10時~21時/9月2日(日)10時~20時30分まで、市役所前に露店が並びます。今年も姉妹都市からたくさんの物産が届いていますので、ぜひぜひお越しください。(※交通規制日時 9月1日(土)9時~2日(日)23時)

     H30刈田例大祭     H30神輿渡御

今年は、市役所前沿道に加えて、刈田神社境内にも市民活動等をされている方々を中心とした露店が出ます。もちまきは、例年の露店前ではなく、9月2日(日)神輿渡御から帰って来た神社境内で4:30頃~行われます。

私も例年通り神輿渡御の進行管理に走り回っていますので、見かけたらお声をかけてくれると嬉しいです。露店区画が変わってから、しばらく神社参拝から遠ざかっていた方もいらっしゃると思いますが、ぜひ神社境内ものぞいてみて下さいね。

登別地獄まつりプログラム変更

台風接近に伴い、登別地獄まつりのプログラムが一部変更となっております。
最終日の地獄谷大爆裂花火までには晴れて欲しいですね。

障がい者雇用数の“水増し”は正しい表現なのか

省庁・行政における障がい者雇用数の水増し問題が話題になっています。

従業員が45.5人以上の民間企業では2.2%、行政機関では2.5%、都道府県教育委員会では2.4%以上の障がい者雇用が義務付けられています。その算定基準となるのが、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の所有者であることから、今回、手帳を所持していない方も雇用率に算定していたことが問題となっています。

雇用率未達成の企業に対しては、「障害者雇用納付金制度」と呼ばれる納付金を徴収しており、雇用率達成企業に対して報奨金を支給したり、障がい者雇用の促進を図るための助成金の財源にしています。今回の“水増し”は、特に納付金を納めている事業者からすれば不満となりますし、当事者の方々にとっても、私自身も不愉快な事案です。

一方で私は、そのすべてが“水増し”という表現で良いのか、疑問もあります。

障がい者雇用率の義務化の目的は、障がい者の差別禁止及び合理的配慮の提供義務を”数値化”するためにあります。その客観性を担保するために、障害者手帳の所持を必須としています。手帳所持の有無は、助成金や各種社会保障制度の受給資格を審査する仕組みとしては有用なものであることは間違いありませんが、障害者雇用率算定に障害者手帳所持を必須とすること自体にも課題があるのではないでしょうか。

合理的配慮があれば、経済活動に参画できる障がい者の中には、手帳を所持することにより障がい者として「認定」されることに「選別」を感じて、あえて申請しない方も多くいらっしゃいます。

また、障害者雇用に関する助成金については、手帳を持たない方も対象にしているものもあります。パラリンピックの出場資格に、手帳所持の有無はありません。手帳所持の有無だけでしか判断させない、法定雇用率の算定基準に制度上の欠陥があるのではないでしょうか。

例えば、働く場や地域での合理的配慮により、経済活動や地域活動に参画するようになった当事者が、手帳を返還したことだけをもって、雇用率算定から除外されたり、雇用主の“水増し”と批判されては、制度の目的達成がより遠退くように思えてなりません。

第55回登別地獄まつり#2018

お盆休みは昨日・今日までの方が多いかと思います。私は通常通り活動していましたが、携帯電話もほとんど鳴らず、比較的ゆっくりと過ごすことが出来ました。

さて、登別では来週から3週連続「登別地獄まつり」→「刈田神社例大祭」→「登別漁港まつり」と、秋にむけて怒涛のご当地イベントが続きます。ぜひ、遊びに来てくださいね。
      H29鬼みこし      H29えんま山車

まずは、登別温泉街で開催される登別地獄まつり。今年は55周年記念で例年より1日多い、8月24日(金)・25日(土)・26日(日)の三日間開催となります。

●第55回登別地獄まつりプログラム(2018年)
        H30地獄まつりプログラム2018年08月16日07時51分46秒※クリックで大きくなります

地元小学生のマーチングバンドに、中学生の熊舞。鬼神輿やエンマ大王のからくり山車。地獄谷大爆裂花火は日曜日21:15~です。鬼踊りコンテストなど、例年のプログラムから若干変更になっていますので、地元の方もご確認下さい。皆さんのご来場をお待ちしております。

新しい共生

先日、「きずなシンポジウム」に参加して以来、改めて「共生社会」のあり方について考えるようにしています。
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その中で、元京都府知事で現在は京都産業大学教授の山田啓二氏のお話にヒントがありました。

山田氏は、現在の人口動態や経済構造の変化を、単にIOTの進展、少子高齢化といった言葉だけで括らずに、丁寧な分析を基に、現在の生活環境や価値観がどのように変化し、地方部における公共政策がどのように変化をしていくべきかを提言されています。

例えば、新聞発行部数は2000年5371万部から2016年4328万部に減少、Google年間検索数1999年10億回から2016年2兆回に増加、オンライン旅行市場は2013年1.6兆円から2015年2.4兆円に増加、給油所は1994年60,421箇所から2016年31,467箇所に減少し、急速充電施設等は2009年95箇所から2017年6,935箇所に増加。日々の生活は変わらないようでも、わずか数年で変化を続けています。

かつての日本は、均質性や個より組織、横並び意識など単一性が強い社会であり、共生という概念を持ち出さなくとも絆の強い社会でした。だからこそ、改めて絆の大切さを再認識し、回帰した共生社会を目指す向きがあるのだと思います。

しかし、現在はその基本的な構造が変化したことによる、多様性の時代へと移っており、回帰ではなく、新しい共生を考える道もあるのではないでしょうか。つまり、旧来の村社会の幸せを目指す共生社会から、多様性社会の幸せが新たな目指すべき共生社会のあり方ではないかと私は考えます。

共生社会の実現には、少数派多数派、弱者強者といったカテゴリーをつくること自体を慎重に、ありとあらゆる多様性を認め包摂した共生社会こそが、孤立を解消し、より強い未来をつくっていくのではないでしょうか。

1ヶ月@73年

今日は広島に原爆が投下されてから73年の原爆の日です。平成最悪の土砂・浸水被害となる西日本豪雨において最初の大雨特別警報が発表されてから1か月となります。豪雨災害では、200名を超す方々がなくなり、いまだに行方不明の方々の捜索も続いています。



災害や平和を考える時、いつも心をよぎる言葉があります。

「何百万という人類の滅亡よりも、自分の小指のけちな痛みのほうが心配なものだ」

多くの人にとって、日々の生活しながら常に当事者の苦しみを共有し続けることは難しいことなのかもしれません。時間が過ぎたら、場所が離れていれば、それは尚更のことです。

この一か月、議員活動などを通じて市内で行われる様々な式典や会合に出席させていただきましたが、西日本豪雨災害の被害者を追悼して“黙とう”をしたのは、陸上自衛隊幌別駐屯地にかかわる行事だけでした。

登別市民にとっては“平時”である時も、常に日本国民に心を寄せているからこその行動だと思います。

私もその姿勢を見習い、地方議会議員として、ここ登別で為すべき役割は何かを考え行動をしていかなくてはならないと襟を正すことが出来ました。

倫理

今年も、地域福祉の実践に向けた市民研修ともいえる「きずなシンポジウム」が開催されました。



北星学園大学 福祉計画学科 岡田直人教授による基調講演では、共生社会実現に向けた地域づくりについて、防災活動や災害時支援活動をきっかけにしていくことを提起されていました。

また、地域の支え合い活動に携わるきっかけとして、地域に役立ちたいという意思があるが、地域活動を続けていくと次第に、有用感が育まれ、自身の生活を豊かにしていくことにも繋がっていくを知ってもらいたいとご説明されていました。

特にこの二つのご提起には、強く共感するものがあります。私自身、阪神淡路大震災での被災経験、ボランティア経験が社会福祉の道を目指すきっかけてありましたし、市議会議員を務めるモチベーションは社会福祉からのマチづくりを目指しているからに他なりません。

次回の議会質問の一つに地域における防災活動に係わるテーマを検討中でしたので、準備に向けて多いに役立つ研修となりました。

一方で、ご参加された方から「この場に来ていない市議会議員は地域福祉に関心がない」との趣旨による苦言をお聞きしました。言わんとされることはわかりますが、私には、その考え方自体が共生から離れていて、選別的にすら感じてしまいます。

社会福祉をライフワークに議員活動をしていると、経済を主観とした方から社会福祉の倫理(モラル)を否定されることがあり、悔しく悲しい思いをすることが多々あります。同じく、社会福祉を主観とした視点においても、それが時に偏った倫理に陥っていないか、社会(ソーシャル)を見渡せなくなっていないか、私自身が自戒をしなければならないことに気づかされました。