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登別市議会議員 辻󠄀ひろし

議長職という魔物

札幌市議会で議長選出にかかわり、ひと悶着あったようです。

当事者の方は「法に関係なく居酒屋談義的にやるのはだめ」「立候補制に一石を投じた」とお話しされているそうです。

つまりは、公の場(議場)で論議することなく、あらかじめの話し合いで実質的に議長が決定している実情に対しての疑義を訴えたかったのではないかと推察します。そのことについては、私も同じ思いがあります。ただし、「法に関係なく」については、一部誤りがあります。

地方自治法第103条では、「普通地方公共団体の議会は、議員の中から議長及び副議長一人を選挙しなければならない。」と定められています。つまり、所属議員すべてが「被選挙人」であり「選挙人」であり、仮に立候補者を表明した者がいたとしても、その者以外に投票することを禁止したり、その者以外の当選を無効にすることは法律違反になります。

少し前までは、研究者の議論もわかれており、多くの場合は「立候補制が望ましいが、法律では認められていない」という解釈が一般的となっていました。しかし、最近では「公職選挙法で規定する立候補にはあたらないが、議長になろうとする者が、その意思を表明すること自体は違法ではない」との解釈に変化してきています。

ややこしいですが、つまり、「議長になろうとするものが立候補の意思を表明したほうが公開性は高まるので実施すべきだが、実際の選出時にはすべての議員が選挙人であり被選挙人であることは保障しなければならない」ということです。

登別市議会でも、今回の議長選挙から、これまで非公式でおこなっていた「所信表明」を、「議長に就任を希望する者の抱負」として、本会議における公式発言として実施することにしています。これにより、議長に当選した以降も、議事録に記録された発言に基づき、公の立場で結果を示していく責任が議長に付与されていくことを期待しています。

それもでも、実際に議長人事に関わっては、あらかじめの「交渉」が密室で行われている実情は変わりません。その背景には、議会という合議体が、調整力をもって運営されていくためとの事情があります。現時点では、私もこの「事情」を受け入れています。

しかし、前述した自治法うんぬんによる議長選出方法や、議会の事情について、ほとんどの市民にとっては関心の対象にはなり得ないことです。マチの発展や、市民の幸福を高めていくことに直接的に貢献できるような議論ではないからです。一議会人としては、そのことを忘れずに、議会活動の本質に注力する冷静さを忘れないようにしていきたいと考えています。

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