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登別市議会議員 辻󠄀ひろし

議員が行政と議論するのはなぜか

定例議会が今日で閉会となります。
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今回は市議会議員任期折り返し最後の議会ということもあり、市民の関心度や行政の時事性を重視したものではなく、私自身が課題視してきている“主張”を中心に、一般質問や予算審査をさせていただきました。

終えてみた感想としては、同じ登別市という組織にあっても、担当分野ごとによってそのガバナンス(統治構造)の考え方が大きく違うことを色濃く感じました。

例えば、
①専門職が中心の担当分野では、現場主義的に社会的課題には敏感ですが、先鋭的になりすぎると行政としてのガバナンスが弱くなりがち。

②歴史的にもガバナンスが強い担当分野では、公共圏における統治力に長けていますが、社会の変化や雰囲気には鈍感になりがち。

③民間資本分野を中心とした担当分野では、公共資本を投入する意思決定が早いですが、政策効果の目標設定や事後の検証に乏しく、公共としてのガバナンスが及ばなくなりがち。

いずれも、ガバナンスに関わるものの多様性が乏しいことから生じてくる課題だと思います。本来、市議会が行政と議論する根拠は、多様な主体によるガバナンスの実現にあると私は考えています。

しかしながら、現実には質疑前と後において、出来るだけ行政事務の遂行に影響が無い答弁が“優秀な答弁”といわれることもあるようです。

高度な情報を持つ実務のプロである行政と、高度な社会的常識をもつ政策のプロである議会が、互いにその担当分野におけるガバナンスに多様性をもたせる意義を尊重して議論しなければ、“優秀な答弁”に対して、議員も最後は“お願いの質疑”をして終えがちとなります。

小さな政府ならぬ、小さな地方自治体を目指していく時代において、多様な主体によるガバナンスの実現は、そのマチの持続可能性を左右する大きな課題となってくるのではないでしょうか。

議員個々の課題で言えば、そもそも、行政担当員との間に信頼と敬意の関係性が築かれていなければ、議論すら成り立ちませんので、その点においては常に自戒するように気を付けていきたいと思います。

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