釧路公立大学 小磯修二 学長
北海道大学公共政策大学院 山崎幹根 教授

両氏から「契機後退期の自治体運営はどうあるべきか」をテーマにご講演をいただきました。
小磯学長からは・・・
世界的大恐慌の中、“地域資源依存型”の北海道は全国的な景気悪化の影響が意外と小さかった。
大型工場、大企業の誘致による経済・雇用政策を推進している自治体は、景気悪化時の影響を受け易いことに注意が必要。
地方分権が叫ばれる中も、景気悪化による緊急時には結局、霞ヶ関の政策に頼り、地域からの経済対策は何も立案されていない現況がある。
景気悪化に強く、持続的な経済対策には「資本・資源を地域内で循環させる力」「外から稼ぐ力」が不可欠である。
特に道内産業では水産加工業に注目される。水産加工業の道内自給率を高める自治体運営を検討するべきであろう。
山崎教授からは・・・
「空騒ぎ」に終わった支庁制度改革には失望するとともに、「地域振興条例」を政治的妥協の産物として終わらせて良いのか?
自治体の「質」は総合計画に見て取れることが多い。芽室町などの総合計画は“住民参加型”“具体的目標値”“長の政治理念”が見て取れる。
将来的に、増税など住民負担の増加が予想される中、自治体機能の根源ともなる徴税力を今の内から高めておく必要がある。税源移譲が進む中、地方自治体における税の公平性の確保は重要である。
懇親会では、両氏の講演から、登別で循環させるべき「資源・資本」について、NHK札幌放送局 庄司記者との意見交換をさせていただきました。
その中で、まずは仲間10名で「温泉入り隊」を結成し、毎週必ず温泉に入り、感想を書きとめて行くだけで、“小さな循環”が始まるのではないか・・・そんなことを考えた学びの場でした。
