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登別市議会議員 辻󠄀ひろし

ウチダザリガニ

先日参加した自然史研究会大会での、道立旭川高等看護学院非常勤講師 斎藤氏の講演内容について、遅くなりましたが、掲載させていただきます。

講演の内容は、「外来種」についてでした。

普通の自然体系の中で、動植物は自分の力で生息域を広げますが、故意的、非故意的に関わらず人的に動植物が移動し、住み着いたものを外来種といいます。

北海道においては、メダカやトノサマガエル、カブトムシ、ミドリガメなども、すべて外来種だそうです。

今回は、特に「ウチダザリガニ」について詳しく聞くことができました。
ウチダザリガニは、1930年、アメリカから食用として摩周湖に導入されました。その後、摩周湖から釧路近郊の湿原、湖、沼や手塩川など道内各地に住み着きました。川がないところから広がったのは、つまり人的に持ち出されたということです。

戦後の復興と共に、食用から観光資源、イベントの景品等で急速に広がりました。

今では支笏湖、洞爺湖でも確認されています。驚いたことに、斎藤氏のお話では持ち出した人や企業もある程度特定されている場合が多いようでした。

数は年々増え続け、ニホンザリガニの巣穴を荒らす直接的な被害、ザリガニペスト(かび病)感染死という間接的な被害が予想されることから、2006年2月、外来生物法に基づく特定外来生物に指定され、新たな放流や生きた個体の運搬などは規制されています。

現在、道東の阿寒湖と塘路湖では漁業者が適法に捕獲しているほか、
湖沼・河川で環境省や市民団体などが捕獲調査をしています。

しかし、規制を知らない企業が未だにペットとして販売したり、一般の方による持ち出しは続いています。

斎藤氏は、外来種放逐(ばらまくこと)の危険性を社会教育、学校教育で取り組んでいく重要性を述べられています。

自身が主宰される「ザリガニ探偵団」と、上川支庁共同で「親子でザリガニとり」を実施し、駆除と教育を一括した試みも実施されています。

いまだ正式に確認はされていませんが、登別市にもウチダザリガニがいるとの情報はあります。

私も実物をみたことがないので、写真を掲載できませんが、ザリガニをみたらウチダザリガニの可能性は高いようです。ハサミのところに白い斑点のあるザリガニですので、見かけたら他地区に持ち出さないようにしてください。

環境省が管轄になると思いますが、見かけた方は私に連絡くだされば、調査を依頼するようにします。

講演を通して、普段はあまり気にしていなかった、外来種が与える影響に強い危機感を覚えました。最近はみませんが、お祭りなどで販売されたり、夏休みの教材となるザリガニやカメなどは、責任をもって最後まで自宅で飼うように啓蒙活動に取り組んでいかなくてはなりません。

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