最近、処々の講演会や説明会を拝聴させていただくと、多くが「賛成派」「反対派」による批判の応酬に終始しています。
一つの事実に対して、多面的要素があるのはあたり前ですが、賛成派は反対派の矛盾を指摘し、反対派は賛成派の矛盾を指摘することばかりです。
特によく聞くのは・・・
反対派→賛成派の人はマスコミの誘導的報道に踊らされている!
賛成派→反対派の人は極論的データを示し市民の不安をあおっている!
・・・何の議論にもなっていません。互いの矛盾を指摘する作業は、自分自身の理論にも矛盾を生み出します。
そもそも、国の有事に関することなのですから、本来は政府が整理し国策を示す事柄です。地方自治体同士や市民同士が、その件について互いを批判し、互いの選択に伴うリスクに責任を負おうとしていないことには違和感があります。
この件に限っては、受入自治体や拒否自治体がそれぞれ批判されたり、賞賛されたりすること自体が誤りです。
挙句の果てには、地方分権化の時代において瓦礫処理の判断も地方自治体が主体的に判断すべきとまで言う方もいます。地方分権の解釈そのものを誤っているだけでなく、「国の体」に対する自分の思想を持ち合わせていない方だと私は思います。
組閣時のアンケートなどから、日本人は「国防」に対して極めて国民的関心が低いといわれていますが、そもそも「有事」に対して、「国」として判断する能力が政府・国民共に乏しいのかもしれません。
