登別市議会議員 辻󠄀ひろし

社会福祉の“スクラップ”

約一か月ぶりに、介護職員初任者研修講師のお仕事と、社会福祉職を目指す方々の勉強会への参加をしてきたのですが、ちょうど2015年度予算案が閣議決定されたこともあり、話題となりました。
  介護初任者研修教科書

資料をみると、次年度社会保障関係費は31.5兆円、前年度比1.3兆円の増。消費税増税の先送りや、政府による予算編成基本方針として社会保障関係費の「効率化・適正化」が掲げられたこともあり、社会保障費の増加は抑えられると思っていましたが、実際には拡充に動いたようです。

例えば、保育所の増設や保育士の賃金支援などに5200億円が経常されており、子育て支援に係る政策が先送りされる印象は避けられました。

また、国民健康保険への財政支援に1800億円、高齢者医療支援金として健康保険から1500億円(~17年)の負担増なども示されました。

要は後期高齢者医療の財源を確保するために、健康保険(民間企業・サラリーマン等)の負担を増やす一方で、国民健康保険(個人事業者・個人・退職者・非正規雇用者等)については財政支援を増やすということです。この「後期高齢者医療支援金」の仕組みにかかわる細かい説明について興味のある方は少ないかと思いますが、かなり時代にも現状にも合わない疑問の多い制度だと私は感じています。

いずれにせよ、予算案全体の印象としては、法人税の引き下げ策等、経済・生産活動に係る企業支援を拡充する一方で、社会保障費等に係る企業負担を増加させることで、企業を通じて国民生活へ還元していくことを想定した予算編成ということではないでしょうか。

社会保障関係費予算は31.5兆円ですが、自己負担や保険料等を含めた支出は115兆円あります。約10年後には150兆円まで増えるとの試算もあります。介護費については現在、制度開始から約3倍の10兆円となり、こちらも10年後には20兆円になるといわれています。

私は消費税増税=社会保障の拡充という国民への説明には疑問があります。未来に向けて、社会福祉政策を“ビルド”するだけでなく、時代に合わせて変化をさせたり、時には“スクラップ”することも併せて実行していくことが、国においても地方においても益々大切になってくるのではないでしょうか。

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